破滅を迎えたサンクチュアリ




それは、私が新学期早々全校朝会で居眠りしていたのが悪いのか。







「……何で小十郎さんが…いんの…?」

前学年時の担任が教卓の所で「、お前さっきやっぱり寝てたろ」と図星を突いて来た。
おいおい私の発言のおかしいところは無視かよ。思いっきり今日来たばっかりの先生の事を居眠りしていたのに知っていた挙げ句名前で呼んだんだよ? 普通はおかしいと思うところでしょ(私はおかしいと思います!)。

小十郎さんは以前としてこちらを見てフッとバカにしたような顔だ。え、ちょっと何。宣戦布告?

「え、ちょ、ねぇ。どうしよう私売られた喧嘩は買うべきよね。
「アンタの脳内で何があった? それよりあの先生と知り合いなの?」
「…いや、多分…と言うか…。そんな、お知り合いってほどの仲でも……」
「は? はっきりしないわねぇ、アンタ」

いや、でも小十郎さんだよね、確実にアレは。昔と違うところと言えば、渋くなったとことか、左頬に刃物で切られたような傷跡があるところとか…(良くアレで教師になれたな!)。
もしかしたら違うかも知れないよ。そっくりさんかも知れない。だってまだホラ、確実性がないし。あっちが私を知ってるんなら話は別だけど、まだそんな素振りは見せないし。…いや、でもあのバカにした笑いは小十郎さんだよね。
イマイチ信憑性がない。それはまだ私の目の前にアイツがいないからだ。
小十郎さんは常にアイツの居る所に出現する。つまりアイツがいなければ教卓のところに立っている先生は本当は小十郎さんじゃなくてそっくりさん! なーんてね。

「…は。アホらし」
「ちょっとさっきから何なのよ。」
「私の脳内って凄いアホだった。変な方向にばっかり想像が張り巡らされてるわ」
「ま、それがアンタの基本装備だしね」
「基本装備!!? なんてこったいLv.1で基本装備がこれだなんてモンスター1匹殺した時点で相打ちじゃないか!!」
のゲームを基準とした説明って苦手だわ」

私に戦えというのかおい。
大体さー、何故ここに小十郎さん?(そっくりさんかもだけど取り敢えずそう呼ぼう)
うちのクラスの副担? という事は担任は去年と一緒で宮川先生!? おー、そりゃないぜ…!!

ふと宮川先生が口を開けた。どの先生の声もいつも良く通るから不思議だ。

「えー、以外は当然知ってると思うけど、こちらが今日からお前らの担任になる片倉先生な。」
「! じゃあ先生は副担なんですか」
「そうだけど」
「じゃあ何で仕切ってんですか。」
「良いだろ別に! 俺去年の担任だぞ!?」
「わー、先生降格ですね。減給ですね」
「何でお前そんな嬉しそうに言うんだよ。」


私と宮川先生とのそんな阿呆は会話は点々と続けられた。何か先生がアホな事言ったらツッコむ。それが私達のクラスの去年のスタイルだ。私はここまでツッコミに精を出していたのか。
相変わらず無表情の小十郎さんが恐い。
というかさっき確実に先生「片倉先生」って言ったよね!!! やべー、これはどんどん回復の兆しが見えなくなって来たぞ(私の心の)。しかも担任って言ってたしね!!

「宮川先生」
「はい? …あ、そうそう! お前らー、今日から転校生がこのクラスに来るからな!」

そう言った瞬間の皆の歓喜の声と言ったら。
そんなに嬉しいか、転校生が。私は今まで転校という経験はした事ないけど、する方って結構ドキドキすんじゃないかなーとか思う。いきなり全く違う環境はワケだし。ワクワクとかもあるだろうけど私が想像する分としては恐い。

それにしても先生、ちょっとビビッてるように見える。
チラリと小十郎さんの方を見れば、こっちに視線にすぐに気付いたらしく、またニヤッと笑った。唇が微かに動く。

「……え…」
?」

先生はちょっと外に出て、転校生を呼んで来たらしく、教室に入るとドアに向かって「良いぞー」と言った。










確かに彼の先程の唇の動きは






『見てろよ。ビビるぜ、お前』だった。






あとがき
はいもうバレバレな転校生!(おい)
何となく小十郎は先生が良いな!なんて思ったんです。英語で良いんじゃない?
毎日パラダイスじゃないですか。^^
2008/01/27