そう、アイツは四番だ。
03.四番の力
「よし、田島。お前なら出来る、やれるぞ」
「おう、当たり前だろ。、知ってる? 俺は1試合やって打てなかった球はないんだぞ」
「知ってるよ。シニアの頃からそうだったらしいじゃん」
「おっ、流石亮太はちゃんと報告してんだなぁ。感心感心!」
「はいはい。ここであのシンカーを打てれば田島の『1試合通して打てなかった球はない』伝説はまた語り継がれるワケだね」
「おう! その伝説は永久に語り継がれるぜ!」
「解った解った! よし、ゴー!」
「おー!!」
アナウンスの紹介と共にバッターボックスに入って元気良く礼をしている田島を、西浦は今皆必死で応援している。
全てを田島に賭けているんだ。
ベンチでの調子はいつも通りだったけど、あそこに行った瞬間彼は目付きが変わる。まるで別人のような雰囲気を纏う。
何でかは知らないけど、私はこの打ち取るか打ち取られるかという緊迫感のある状況が意外と好きだ。
相手は田島に対しては今のところほぼシンカー攻め。結局この回まで田島は打てていない。
現在2、3塁に阿部くんと泉がいる。これで田島がヒットを打てばきっと点は入る筈だろう! この勝つか敗けるかという大博打(?)な
雰囲気、心臓がバクバク言っててすんごい緊張してるのが自分でも解る。だけど、この状況を楽しんでしまっている。
1球目は掠った。2球目は打見てた。3度目。大丈夫、あの表情はきっと打ってくれる(とは言ってもバッターボックスに入ってる時はいつ
もあんな顔だけど)。
バットを振った。やっぱり届かない、そう思われた時、遠心力(だっけ?)でバットをズラして打った(っぽい)。
やりやがったよ、アイツ!!!!
阿部くんがホームベース踏んで、続いて泉も踏んだ! 勝ち越しだ!!!!!
田島がすんごい嬉しそうな顔で「うしゃ―――!!!」と叫んでいて、私達ベンチの方も大騒ぎだった。
やっぱり凄いな、4番って!!!!
その時の田島の笑顔は、当分は忘れられそうにないと思う。
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本格的に自分は田島好きなんだという事が判明。田島様々だよホント!!! あの男前な表情がね…!!
こういう試合形式っぽいのは原作の一部と合わせようとしてます。そのまんまではないけども。とにかくあの打った瞬間はかっこ良か
った!というのを現したかったという…四番だし!
というかこれ名前変換…? 夢小説じゃない…orz
2007.8.13