「ですが、どうして浅井だと察せたので?」
どうやら政宗は機嫌が良い様なので、このぐらいでは無礼にはならないかな、と少し気を遣いつつもは尋ねてみた。まだ顔が少しだけ微笑を浮かべている。そんなに面白かったのだろうか。
「AH? なァに、簡単な事だ」
すいません、学がなくて。
は心の中でそう呟いた。忍としては色々と予測して動かなければいけないのだろうが、個人としては考えるよりも事実を見た方が早いという固定観念の持ち主なので、考えてから行動、という事があまりない。いや、ほぼ皆無に等しい。
「明智が討たれ、織田の残党狩りが終われば……本格的な進軍が始まる…という具合だな」
「…………?」
は戸惑った。それだけでどうやって浅井が狙いだと搾り出せたのか。
というかやはり自分には学がない。
目の前の主はこの軍師的な素質に加え異国語を流暢に操る事も可能なのだから、これは最早才能というしかないのではなかろうか。にとってはこの国の言葉だけで精一杯である。
「Okay, okay! Sorry, 。もうちょっと解り易く説明してやるよ」
「……お願いします」
政宗はの不可解そうにしている表情を見兼ね、解り易いように順を追って説明しようとした。
にしてみれば何だか馬鹿にされているとしか思えない。いや、学がないから仕方ないけども。
「目下最大勢力である上杉・武田両軍は未だ川中島で雌雄のつかぬままの戦を繰り返している。You see?」
「…はい。この目で見て参りましたから」
「Okay. Ah……元々が反織田勢力の四国・長曾我部と中国・毛利も勢いこそあれ、まだ京には遠いな」
「はい」
「You are good! …京へ上った豊臣がその隙に自勢力を拡大するとなれば、稲葉山城に拠点を置くのが手っ取り早い。…そうなれば?」
「あぁ! 途中の浅井を…!!!」
「That’s right!! こういう事だ。You see?」
「はいっ。本当政宗様は凄いお方でございますね! めでしたら全く考え付きも致しませんでした」
「そりゃあお前に学がねェからだろ」
ゔっ!!
痛いところを突かれてしまったは思わずそんな声を上げた。その様子を見ていた政宗が再びフッと笑みを溢した。
(わっ! 今の笑い方綺麗ー!!)
女のが男の政宗にそう思ってしまうほどに。
見惚れてしまうものだけれども、何となく女の身としては微妙に屈辱が付き纏うもので。
「…Ah…、。軍議だ。召集かけろ」
「っ、は!」
あの空気から自然に出れる事をしてくれるなんて政宗様は間が良いなァ、なんて思いつつも、は召集をかけていった。
一方政宗は。
「……アレが忍で良いのか……?」
そのままでいて欲しいとは言ったが、それはそれで心配だと少しだけ肩を落とした。
あとがき
こう、前作の続きで…! でもタイトルは合わせて矛盾するように仕向けました。えぇ、ご都合的に←
ほっとんど政宗が言っている内容は漫画から拝借orz 2巻が欲しい!!!
2008/03/05
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