弱者と強者







はせっせとマネージャー業に勤しみ、解れて縫い直す必要のあるボールを籠ごと運んでいた。うん、今更ながら女子にしては凄い軽々と持ってるな。あの身体のどこにそんな強大な力が眠ってるんだか。

俺は榛名と軽くダッシュでもしてから練習に加わろうと思っていたら、いきなり榛名が隣から耳打ちして来た。




……えぇ、それホントにやるのかよぉ……?

当たり前だろっ、と屈託なく笑う榛名はある意味純粋すぎる悪魔だ。俺、悪魔とバッテリーとか組みたくない。


手持ちの中途半端な長さのロープを走って地面に置いて(お前それ倉庫から勝手に取って来ただろ)、また帰って来た。ニヤニヤしながら「秋丸、お前が声かけろよ」と告げて来る。お前、自分でやれよ。




「お前が言わなきゃは信用しねぇだろ!!!」
「その場の臨場感とかを出すのは榛名の方が上手いと思うよ」
「………それもそうだな!!」




単純というのはたまにかわいそうになる。
自分で言っておきながらなんだけど、榛名は正直……いや、もう何も言うまい。


すぐにが籠を持ったまま歩いて来た。籠の所為できっとすぐにはロープの存在には気付かないだろう。
榛名が正に狙ってました!というような顔付きでに向かって叫んだ。




! 足元に蛇!!」
「えっ!!? ど、どどどどっち!?」
「右足!!!」
「右!?」




グシャッ









「「……………………」」
「……なーんだ」
「おいこらちょっと待てやァアアアア!!!!!!」
「何よアンタ!!!!」
「ありえねぇだろ! お前女だろ!!」
「だってロープじゃんあれ!!!」




どうやらはすぐに気付いたらしい。動体視力とか咄嗟の判断がホント早いんだから。そこだけは尊敬するなぁ。
恐らく踏んでから気付いたらしい。しかし蛇と認識してる内にそれを踏み潰すという選択もいかがなものかと思う。確かに女子のする事とは思えない。珍しく榛名に賛成意見だ!




「恭平ェー、榛名が何か無茶言ってくるよ。ホント、私アレ最近本気で自己中の権化に見えて来たよ。
「テメェこらっ!!!」
「ぎゃー! 何よ!! あんたが悪いんでしょーが!! ひっ、人を驚かせておきながら!!!」
「結局お前驚かされなかったじゃねェか!!! あー、マジで面白くねェ」
「恭平、理不尽の塊でもあったね。
「そうだね」
「秋丸!? うわっ、お前ら2人して…!!!!」




こんなに言い合ってはいるけども実際は結構仲良いんだよなぁ、この2人。はやっぱり榛名みたいなとっつき易い奴が対応し易いらしい。容赦なく罵詈雑言を浴びせられるからだろうけど。
とうとう手が出そうな2人を止めて、練習とマネージャー業に精を出すように言う。渋々言い付けを守ろうとしたに対し、榛名がまた余計なひと言を口から漏らした所為で、グラウンドは地獄と化したのだった。



















「榛名がに敵うワケないだろ」
「何でだよ。勝つに決まってんだろ」
、素手で瓦10枚ぐらいは余裕で割るよ」
「……………………え?」









突発的秋丸、夢……?
あんまし秋丸とヒロインが絡んでる感じしませんけど…orz でも秋丸大好きだ。癒されるなら彼だな!!
そして私はこーいう最強的ヒロインが好きらしい。
2008/02/13