から「おあずけ」を食らって早2週間。

俺もそろそろ限界だった。









  おあずけ
  Though you return and encounter slaying after all.










B組の教室を出てズカズカとのクラスへ突き進む。

廊下にいる奴らが俺を見てビビッて両端に避け道を作ってくれた。

きっと俺は今相当恐そうな顔をしているかそんなオーラを出している筈だ。




大体何でこんなにクラス離れてんだよ!

のクラスが1番俺のクラスから遠いとかマジありえねぇ!!!




面倒だが1番遠いのクラスまで来た時、教室の中にアイツを見つけて俺は内心ニヤリとしたり今まで以上に苛々が募った。









「おい、っ!!」









開放状態のドアの所に立って俺は大声での名前を呼んだ。

勿論友人と喋っていたはビクッと肩を震わせた後、恐る恐る俺の方を向いた。









「も、元希……」

「テメェ、いい加減にしろよ。流石の俺もこれ以上待てねぇからな」

「えー、大体元希根っからの短気じゃ「カメの事件。」









そう言った瞬間、の動きは面白いぐらいビタリと止まった。何だか冷や汗が出ているようにも見える。

クラスの奴らは俺がさっき大声でを呼んだんだから、未だにこちらをチラチラと見ていた。









「……バラされても良いんだ?」

「(クッソこの野郎ムカつくぐらい良い笑顔…っ!) ……元希くんは心が広い人でーす」

「心が篭ってない」

「はぁ!? アンタいつもはそんな事気にしないじゃん!!」

「へぇ?」

「っ……!! で、何が望みよ」

「いい加減返事寄越せ」

「えー……まだ決めてない」

「あぁ!? フザけんなよテメェ! 2週間も待ってやったのに何だその言い草は!?」

「だ、だってその、あの、浮くじゃん?

「現時点で浮いてる事に気付いて下サーイ」

「…………」









は周りを一通り見回した後、悔しそうに顔を歪めて俺を睨んだ。

別に下から上目遣いで睨まれても恐くねーぞ(でもコイツ普通に睨むとマジ恐ぇ)。




ちなみに俺の要求は2週間前に訊いた事の返事が欲しいだけだ。

3日後にはこの武蔵野第一で文化祭が行われる。

練習や準備は途轍もなくかったるいが、当日は何となくテンション上がるし妙に楽しい気分にはなる。

そして今回一緒に文化祭を回ろうと俺は幼馴染のを誘ったワケだが、コイツなかなか返事寄越さねぇ。

何コイツ。いっちょ前に生意気になってやがんの。………反抗期?









「たかが一緒に文化祭回るかどうかの返事だろうが」

「え、いやだってさぁ」

「ちなみに俺YESしか受け取らねぇからな」

「アンタどこまでそのジャイアニズムを貫き通す気よ」









は信じられねぇって顔で俺の顔を覗きこんでいるが、別に普通だろ。

と言うか何をそんなに迷う必要がある?









「何お前。もしかして俺と行きたくねぇの?」

「え!? いや、そーいうワケじゃないんだけど……、ってあーもう! ちょっと来て!!」

「あぁっ?」









ちょっと顔が赤くなっているを引っ張られながら後ろから見ていて、あーそう言えば教室の入り口で今の問答やってたんだもんなぁとちょっとだけその理由が解った気がした。

クラスの奴らに見られるのはそんなに恥ずかしかっただろうか。




廊下を歩いて階段上ってドアを開け放った。

場所はやっぱりお決まりの屋上。









「で、何なに? が予想に反して大胆で俺ちょっと焦っちゃったー」

「キャラにない事言わないでよ気色悪い。」

「おい、さり気なくお前ひどいぞ。んで、返事は?」

「…あのね?」









こちらの顔色を伺う様にはちょっと引け腰になった。 え、何か悪い予感がするのは俺だけじゃないと思うんだけど。









「あのね、元希の自由時間って午前中とあと3時からでしょ?」

「そーだけど」

「そ、その時間にね…その…私、クラスの模擬店に参加しなくてはならなくなっちゃいまして……」









つまり俺と自由時間が重なる時間がないからどうしようもないというワケか。

しかしそうなると俺は暇な時間をどうしろと言うんだ。

自分のクラスの模擬店に参加するというのは真っ平御免である。




ふと俺はピンと来て、に尋ねてみた。









「ちなみにお前、何やんの?」

「え、うちのクラス喫茶店だけど」

「…じゃあお前メイド?」

「……一応そうなる」

「あ、じゃあ俺自由時間お前のクラスの模擬店にいる。」

「やめて下さい。」

何で敬語で反論すんだよお前。まぁ気にすんな。秋丸と一緒に行ってやっから!」

「それもっとやだ!! 元希ってばどうせ私のメイド姿見て笑うんだもん!」









別に笑う為だけに行くんじゃねぇけど。









「笑わねぇよ。多分

「ここは普通に『多分』を力いっぱい言う場面じゃないよ。」

「な、2日目は一緒回ろうぜ!」

「えー、うん、まぁ…良いけど」

「じゃ、そゆ事で!!」









そう言い残して扉の陰に颯爽と隠れた後、数秒後に「あっ、ハメられた!」って馬鹿な声が聞こえた。









突発的に浮かんだものでした。うちの学校ももうすぐ文化祭だぜー…。
不完全燃焼なのはいつもの事なのでスルーして下さい(駄目だろ)。
劇なので面倒です。でも私は裏方なので楽(じゃあ面倒とか言うな)。
受験生に対して何だろうこの厳しさ。落とすように仕向けてるとしか思えないよ。
2007.10.19