塾も終わり、私の中には妙な焦りがあった。

ヤバい、今日は得意科目だったからあっという間にテストで合格基準点を取ってしまった。

すなわち帰って良しという事なのだが、通常では喜ばれる事も、今の時間帯での私にとってはそうも言ってられない。

いつもは親に迎えに来て貰ってるんだけど、今日はお通夜だったかそんな感じで今は家に誰もいないのだ。

11時には帰って来ると言ってたけど、電話も繋がらないしメールの返信も来ないという事はまだ帰って来てない。

私の家は皆とは違って結構な距離がある。

電車を使うまでの距離というワケでもないんだけど、と言うか私の家の付近までは電車とか通ってないし。

バスも降りても少しの間暗い道通らなきゃいけないし。

夜の11時前。かなりの暗さ。正直恐くないとは胸を張ってでも言えない。




いつもは11時過ぎまでやるクセに、どうして今日に限ってこんな早くなるんだろう。

私の得意教科=皆の得意教科というワケでもないが、今日に限って皆早い。

まだ残っている人間がいると思えば楽なのだが、自分しかいないと発覚すると異様な恐さが辺りに漂う。

普段は恐くないのに、周りの葉っぱでさえ恐いと感じてしまうのはやはり人間の性なんだろうか。悲しい。




最早幼馴染のような関係の準太が隣で他の子達と喋っている。

私も一応その中に入ってはいるのだが、さっきまでは話についていけなかった。

今は「弟の話」で準太とは話が合っているけど。




「ってかさ、! 弟って風呂から上がって来たら裸のままでいねぇ?」

「いるいる! 家のなんて裸のまんまで布団の上でサッカーしてるよ!!」

「マジで!? ん家のも!? うわー、やっぱりオレん家だけじゃねぇだよなー、良かったー!」

「どこの家も男の子なんてそんなもんだって! ……まさか、準太「違ぇよ、オレはしてねぇよ」

「あー、良かったー。準太までそうだったらどうしようかと」

「流石にこの年でそれはねぇだろ…」




その内他の子達の親が迎えに来て、帰って行った。

ここにいる理由もなくなっちゃったワケで、帰るより他に手はない。

20分も30分もここで過ごしているようなほど気が長くはない。

と言うか早く帰ってテストとやり直しに向けてノート作りをしなければならない。

どうしてこんな事をさせるんだろうか、あの先生め。

数学は提出期限が明日までだ。数学の先生だけは何故か異様に恐い。

他の先生と比べ物にならない。

他の先生は注意だけして出さなかった人間の成績は下がるというシステムを取るのに対し、数学の先生だけは出すまで怒ら

れる。

ネチネチと説教されるのは正直辛い。

私なんて完成してたけど当日休んじゃったから次の日の昼休みに出しに行こうと思ってたら朝までに出さなかったとかで何人

かと共に呼び出されて―――って。最悪だった事だけは確かである。




「わー、準太、どうしよ」

「何がだよ」

「私ん家の親今いないんだよね! メール送ったけど返答ナシ!!」

「ふーん」




2人で適当に話していると何かもうコイツ帰路についてる!

もうすぐ横断歩道渡り始めちゃいます、そんな瞬間に私は止めに入った。

ごめんなさい、帰宅時間を遅くさせてしまって。




「あ、あのさー、準太」

「何」

「……い、一緒にいて下さい…! 車来たら送るから…!!」

「…良いけど?」

「まっ、マジで!? じゅっ、準太ありがとう!!




とは言っても親が来る時間自体解ってないんですけどね。

暴露しちゃったらすぐ様準太が帰ってしまいそうでどうにも出来なかった。

ごめん、言えなくて…!!










THE・不完全燃焼!!!!(何)
私にはこれが限界でした…orz 当初はもうちょい続く予定だったんですが、諦めました。
前回と違って大人しめな準太(笑)。名前変改が2箇所しかないのにこれは夢小説と呼べるのか。(そう言や基本的に私のって名前変換少ないな…orz)
2007.10.2