【歴史】
*島崎慎吾
「よーし、ちゃん」
「はい」
「君は歴史の点数が散々ですね」
「そうッスね!!」
そう言ったら、慎吾さんから頭グリグリされた。ちょっ、痛い!!
「痛い痛い痛ぇーっ!!! し、慎吾さん酷い! 鬼、悪魔、刺身!!!」
「何でだよ。っつーか異常に悪いな、この点数。歴史だけ」
「歴史はあれなんですよ、興味あるとこしか憶えられないんです」
「じゃあどこが興味あるんだよ」
「織田信長と坂本龍馬と新撰組です。」
「何でだよ! しかも範囲狭いな!!!」
「だって好きなんですもん!! 攘夷とか好きなんです!!!」
「じゃあは外国行けないなー」
「いや、それとこれとは別ですよ」
「はい、じゃあ問題読んで行くからそれ憶えましょー」
「無理ッスよー」
「始める前からそんな事言うな。えーっと、『1894年に朝鮮でおきた東学を信仰する人々が農民と結んでおこした反乱をき
っかけに日清戦争が始まった。この反乱を何というか。』」
「え、慎吾さん私にどの辺りが好きかと訊いておきながらめっちゃ別の範囲言うの?」
「当たり前。で、答えは?」
「………こ、ここっ、こっこ、こ「うるせぇ。」
「ひど!? 言おうとしてるのに!!」
「あーはいはい。『こ』は合ってる。次だよ、次」
「こ、こ、こっこ…「またか?」
少しは待って下さいよ慎吾さん。取り敢えずさっきの頭グリグリからの防御体勢は取っておく。……あれは何て名前言ったっ
け? 『ごりん』? え、アイアンブローってどんなプロレス技だっけ…?
「アイア……いやいやいや…! ……甲午農民戦争。」
「(アイア?) はい、正解。次は……よし、本能寺のへ「1582年。」
「………ホントお前異様だな」
「バッチコイです、織田信長なら。」
「しかし今の問題は年代は問われてな「明智光秀。」
「……えー、次は「えっ、ちょっ、正否は!!?」
「あー、正解正解。次は……『1841年から1843年まで誰が何を行ったか』」
「アバウト過ぎます。」
「良いから答えろ。」
「ヒント! 慎吾さんヒント下さい!!」
「……人と物事、どっちが良い?」
「人で。」
「えー」
「えー、じゃないですよ! 酷い!! 私はそんな返答を求めてるんじゃないやい!!!」
「えーっと、人物は…水野忠邦、だな」
「あぁ、それ前必死こいて憶えたのは良いんですけど最後の『邦』の字が合ってなく減点されました」
「そりゃそうだ」
「この間のは福沢諭吉の『諭』を輸入の『輸』にしてました」
「馬鹿だな、お前」
「仕方ないじゃないですか!!! よし、次行きましょう!!」
「待て、お前まだ今の問題完答してねぇだろうが。」
どうしてテスト週間なの、どうして慎吾さん自分の勉強しないの!?
そんな思いも虚しく、取り敢えず私、下校時間まで帰れないっぽいです。
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しかし島崎は数学が得意だというイメージがある(じゃあ何で社会にしたんだ)。
2007.8.9