そう、それは俺の勝手な願望でしかない。

と俺の二人だけの世界なんて。




そうだったなら、互いに相手しか目に入る相手がいないだろう?




正に最高の世界だ。




そんなの、無理だってぐらい、俺でも解ってる。でも願望は尽きないのだ。














の笑顔も、動作も、心も、総て俺の為にあれば良い。

心も身体も、全部手に入れたい。




「好き」とか、そんな簡単な言葉で言い表せるような感情じゃない。




この間俺に告白して来た女が「好き」と言った時、俺は淡々とそんな事を思っていた。

「愛してる」ともつかないような、この感情。いったい何なのだろうか。




アイツは行動だけじゃ気付かない。言葉で明確に言い表さなくては気付かない。



















まだまだ幼かった頃、は一心に俺を求めた。

俺が拒絶する事を全身全霊で恐がっていた。

ふざけて拒絶して、それでもは喰らいついて来た。

そしたら段々苛ついてきて、最終的には俺が大声で怒鳴って袖を掴んでいたの手を力いっぱい振り解いた。









結果、次の日からは俺に近寄らなくなった。

拒絶される事を本当に恐れていたのだと、改めて思い知らされたのだ。

すぐに、昨日の事は嘘だったんだ、なんて言おうとしたが、俺がほんの少しでも近づいただけで逃げられる。

これじゃ謝れないに決まってんだろ、なんて逆ギレする以前に俺はから拒絶される事の恐ろしさを身をもって知った。









お前も、こんな感じだったのか。

周りの総てのものが一瞬にして壊れていくような。

何もかもが憂鬱だと感じるような。

そんな感じだったのか。









何があってもは俺から離れていかない。

そんな絶対的な自信がどこかにあった。それは、ただの俺の勝手な思い込みだったのだ。




は普通の女―――それをひしひしと感じた。

いくら男勝りだからって、いつもバカばっかりやってるからって、何があっても言い返して来るからって。

アイツは俺よりも弱い、“女”なのだ。









人が殆どいない場所だった憶えがある。

さり気なさを装って逃げるを無理矢理掴んで抱き寄せて、俺がに対して思っている『必要性』を言ってやったら。

泣きじゃくって、力いっぱい抱き着いて来て。




俺はその瞬間に優越感を憶え、














二度としてはいけない事を知り、誓った。





名前を呼ばせ過ぎた感が否めませんが、まぁ仕方なし。orz
独占欲強そうです、榛名(思い込み)。
2007.10.8