「元希ぃ、バサラしません? バサラ。オロチとかあるよ。三国無双とかどうよ」
「何でそんなにそのテのゲームばっかり持ってんだよお前は。」
良いじゃん、楽しいんだもん、なんて言いながら、は俺の部屋にズカズカと入って来てゲームをセットし始めた。
無論、窓からのお邪魔だった。
俺の部屋にプレステがある事を見越しているは、ビニール袋にそのテのゲームばかりを詰め込んでやって来た。
コイツの部屋には格ゲーしか存在しない。あったとしてもぷよぷよだとか。
は自覚出来てるぐらいに短気だ。つまり、長くなるようなRPGものは苦手。
こんな風にが男の部屋に入るのなんて、きっと俺だけだ。コイツの性格を細かく知ってるのも言わずもがな。
ベッドに腰掛けて軽くグローブの手入れをしていた俺の前に勝手に座り込んで、はゲーム機の中にセットし始めた。
細い肩、低い身長、男と違って全体的に丸みを帯びている身体―――やっぱりコイツはいくら強くたって女。
「ねー、バサラで良いよねー。私入れたから。無論1Pは私ですがね!! 元希は2Pー」
いつも通りの。
いつもと一緒で飄々とした雰囲気だ。
これは、壊して良いもの?
頭何も考えていない。
ただ、それが当然のように
習慣のように
気が付いたらを背後から抱き締めた。
「…………え…元、希?」
あぁ、そう、このまま、俺の腕の中だけにいれば良いのに。
小さくて弱々しい肩。
ほんの数枚の布を隔てて感じる互いの体温がひどく、心地良い。
「……元希?」
か細い声であやすように聞こえた声を軽く無視して、の肩口に顔を埋めた。
「もうちょい……こんまま」
そう願った声に、はただそれを叶えてくれた。
この温もりが
俺だけのものならば。
⇒
ちょっと奥さん、元希くんが壊れちゃったよ(誰)。
榛名をどんどん見失っている気がします。はーるーなぁー…orz
それにしても随分短っ…!
2007.10.10