クレイジー・イズ・ファニー
「あぁぁあああ梓ぁ―――っ!!!!!」
『うるっせぇよ電話越しで大声出すんじゃねぇ!!!』
私の幼馴染は頼り甲斐があって何かお母さんみたいなんだけど、良く怒鳴ります。
私だって耳痛いっつうの。
『大体何でいきなり電話してくんだよ。俺今勉強してんのに』
「はー、テスト前は真面目に勉強ですかー。流石梓。」
『馬鹿にしてんのかお前』
「うん」
ブツッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「アイツマジで切りやがったァアアア!!!!!」
すぐさまリダイヤルを押して電話を掛け直した。5回ほどコールがなって、梓の面倒くさそうな『しつこい』が耳に届いた。
「お前マジで切るってどーいう事よ。しかも宣言ナシに切るのかよ」
『お前も少しは真面目に勉強しろ。じゃな』
「うーん…って違うの! 私の本題はそこじゃないの!!!」
再び私が大声を出すと、梓は『勉強出来ねぇんだけど』と言い出した。少しは幼馴染の電話に付き合ってあげるとかさぁ、そーいう優しさはないのか。そうか。最近の梓の優しさは全て野球部の方に向かってしまったワケね。どうしよう、優しさが足りない…!!!
「梓ちゃん、私今優しさが不足してます」
『、寝不足ならちゃんと寝とけ。試験中寝たらシャレにならねぇぞ』
「寝不足じゃないし。って言うかテストの心配なんかしてないわよ!」
『いや、しろよ!!!』
「本気になるのは3年生からで万事オッケー」
『……あっそ』
「何今の間。そこで反発されるのか私」
『はいはい』
「…お母さんが育児放棄……!!!」
『誰がお母さんだ、誰が!!!』
廊下で自分の部屋のドアの前に座り込んで話してたんだけど、無意識の内に立ち上がってドアを開けて自分の部屋に入ろうとして、やっと梓に電話を掛けた理由を思い出し、梓からすれば突発的に叫んだ。私の部屋の窓が今開けっ放しな所為で閉める時物凄く勢いがあった。
バタン!!!!
「ぎゃああぁぁぁぁぁああああぁぁあっ!!!!!!!!!!!」
『あ!? ど、どうした!!? 今すっげぇ音聞こえたんだけど!!』
「す、すーっかり忘れてた……!」
『何を……あ、オーラルの勉強?』
「違う! とにかくすぐに来て下さいよお願いします私死ぬよ」
『何で家でいきなり死ぬんだよ。…何、ゴキブリでも出たのか』
「違うよもっと悪質なヤツだよ!! とにかくヘルプ! 今すぐ家を出ろ見張ってるからな!!」
『何でお前の脅しってそう可愛げがねぇんだよ!!?』
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2階の別の部屋の窓からじーっと外を睨んでいたら(誰かに見られたら絶対に変な人だよね私)、向こうの道から頭にタオルを巻いた男の子が歩いて来た。よし来たあれ梓だね!!!!!
あれ、何かいつもより歩くスピード遅いし時々立ち止まっては振り返ってる……アイツ途中で帰るんじゃないだろうな。
ピンポー「いらっしゃい!!」
「早ェよ! 俺まだ心の準備してなかったんだけど!!」
「常に心は何でも受け入れる覚悟でいなきゃ」
「じゃあ何でお前は俺を呼んだ」
「………すいませんやっぱり心の準備体操って大事ですね。」
(心の準備体操……? 何だそりゃ)
その後部屋にいた蛇は梓に退治して貰った。
って言うか……何で私の部屋に蛇がいたの。ねぇ何で。
「、やっぱお前何か呪われてんじゃね?」
「失礼な!!!」
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